プロダクト・プレイスメントで肝心なのは、現実の生活が再生できていることだ。そう主張するイアンーマックィーンは、このビジネスに携わるロサンゼルスの企業、ISMエンタテインメント社のマーケティング担当副社長である。二般名称の代わりに実在の商品名を使えば、より現実的な状況が作り出され、作品の信憑性が増します。プロダクトープレイスメントが行きすぎて不愉快なものにならない限り、映画会社、企業、消費者の「全員勝ち」というわけですよ」。残念ながら、そのとおりに行かない場合もある。こうした計らいは、衣装を提供する側には都合のいいものかもしれないが、やり方を誤れば、衣装デザイナーが登場人物の性格付けに使いたい服を使えないという事態を招き、映画が台無しになってしまうことがあるからだ。アカデミー賞にノミネートされたこともある衣装デザイナーで、コスチュームーデザイナーズーギルド会長の肩書きも持つデボラーナドウールマンこフンディスによれば、映画製作者がファッションデザイナーから服を借りようとしているわけではなく、デザイナー側か自分の服を押しつけてくるのだという。「彼らがこのメディアを食い物にしてやろうと意気込んでいるのは間違いないわね。ファッションデザイナーたちは、スターというスターにいつも自分の服を見せびらかしていてほしいのよ」。勘違いもはなはだしいことに、衣装デザイナーは映画界のファッションスタイリストだと思われているらしい。