専門家はまた、この時期に不安定になって信号を出せる子どもはまだ救われるが、もっとこわいのは「過剰適応」してしまった「いい子」たちだと述べている。「早期教育的雰囲気」を作り出しているのは母親であるとの指摘もなされている。子どもに「もっと」を求め、自分の自己不全感を子どもに投影してしまう母親たちが問題視されている。『警告! 早期教育が危ない』の執筆陣の一人である、とある専門家は「母親の自己不全感が、子どもを早期教育やお受験に駆り立てるエネルギーになっている」と言う。専門家のおおらかな育児理論は迷える母親たちに人気が高く、『このままでいいのか超早期教育』(大月書店)『ほめない子育て』(EIKOH)などの著書は、子どものしつけや教育に力が入りすぎて疲れている母親の気持ちをときほぐしてくれる。彼が危惧しているのは、母親たちがお受験や早期教育にはまってしまったときに、子どもの心理や成長に及ぼす危険性である。「子どもの受験に血道をあげる母親は、いまのままの自分で十分満足というセルフ・エスティームが低いのではないでしょうか。いい母親にならなければならないと強く願い、そのためにもっとがんばろうと自分を叱咤激励している。でも、彼女たちの描く理想の母親像、理想の子ども像と現実は、あまりにもかけ離れているんです。しかも他人との比較の上での”理想像”ですから、なかなか『これでよい』と満足できない」
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