仕事柄、新作の服を着なければならないことも多いが、そういう服は割り切ってそのシーズンに徹底して着つぶし、後は寄付したり人にあげたりしてできるだけ数を増やさないようにしている。その一方で、何年も前の服でも、ずっと気に入って着ているものもある。傷んできたところは継ぎを当てたり、かけはぎで手当てして着る。何度も修理に出して履き続けている靴もある。それらは、私の好みの本質とぴたりと合っているものなのだろう。そんな長年の親友のような服や小物には、人生でそう幾つも巡り合えるものではないと思う。洋服箪笥の扉を開けて、大切な彼らの顔が見えると心が和む。仕事の服に対してプライベートのための服は数が少ない。オフの時はどうしてもジャケットを着る気にならず、そういえば父も家族で出かける時ネクタイをするのを極端に嫌がったなあなどと思い出す。数は少ないのだが、英国の男物のオイルセーターやサーキュラースカートにギリーの靴といったものなので、流行に関係なく何年も同じものを着続けている。