披露宴のなかで、一つの山場となるのが新婦から両親へあてた手紙の朗読でしょう。披露宴の終了近く、謝辞の前後に読まれることが多く、新婦本人が読み上げる場合と司会者がかわって朗読する場合があります。「お父さん、お母さん、きょうまでの29年間、ほんとうにお世話になりました。いよいよこの日を迎えることができて、家族全員で心から喜び合いましたが、きっとお父さんもお母さんも、そして私も、心の中は同じですね。面と向かっては言えなかったけれど、幸せいっぱいの中に、ちょっぴりさびしさを感じています。小さいころからオテンバだった私は、元気がよすぎていつもお母さんを困らせていましたね。洋服を毎日泥だらけにして、運動靴に穴をあけて、しょっちゅうケガもしていました。でもそんなとき、お母さんにしかられた記憶が私にはありません。いつもニコニコ笑って汚れた服を洗濯して、おふろ場で私を洗ってくれましたよね。お父さんは、お休みの日には必ず私を川原に連れて行ってくれました。川に小石を投げて何回バウンドするか、よく競争しましたね。私は熱中して、いつもお父さんの貴重な休みをひとり占めしていました。ほんとうは小石投げより、―週間に一度、お父さんといっしょにいられることのほうがうれしかったんです。きょうの喜びはお父さん、お母さんのおかげだと、声が枯れるまで「ありがとう」を言いたい気持ちです。私はお父さん、お母さんの娘でほんとうによかったです。お父さん、お母さん、どうもありがとう。これからもずっと、おふたりの娘でいさせてください。」