「効果はあっても、痛みが問題だよ、サーマクールは!」サーマクールは、論理的には納得できる装置なのだが、私がティーニーのクリニックで見だのは開発直後であり、それがどれほど優れた効果を発揮するかどうかは、まだよくわからなかった。関心はあったものの、当時は日本でも発売以前の段階で、この治療を受け始めていた香港人たちの結果を待つしかなかったのだ。しかし、好奇心の旺盛な香港の私の知人たちは、こぞってこの治療を受け始めていた。彼らに感想を聞いてみると、何しろもの凄く痛いらしい。拷問のような痛みだ、というのである。これでは、効果の程はともかくとして、痛みに関する悪評が高すぎる感じだった。「美容外科医療(整形・エステ)は病気ではない。そんなに痛い思いをしなければならないような装置では将来性がないな」と私は判断を保留せざるを得なかった。サーマクールの日本デビューは、それから間もなくしてのことである。何しろ、。切らないでリフトアップ効果があるとのキャッチフレーズで導入されたので、関心の高い女性たちは果敢にもこぞってこの治療に挑戦した。知り合いのいわゆる。セレブ系女性がこの治療を受けたのだが、開口一番「あんな痛い治療、もう二度と受けたくないわ!」と叫んだ。そのときも私は「やっぱりか、これはだめだな」と確信した。その後のサーマクールの評価もひどいもので、「高い、効かない、痛い」の酷評がなされるようになってしまった。そうした悪評が高じたせいか、サーマクールはマイナーチェンジが行われ、以前より痛みが少なくて、同じ効果が得られるようになった。私自身も一度この治療にチャレンジしてみたのだが、やはり痛みが強く、エネルギーの出力を耐えられる程度まで下げてもらって、ようやく受け入れることができた。しかし、エネルギー‘がかなり弱かったせいか、著しい効果を得ることができなかった。この治療にはジレンマがある。つまり、エネルギーを強くして効果を高めようとすると、痛みが強くなるのだ。逆に、痛みを和らげるために子不ルギーを弱めるとリフトアップ効果が弱くなる。私はこの装置に価値を見い出し始めていたものの、「とにかく痛みが問題だよ、この治療は」とつぶやかざるを得なかった。